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賃貸管理手数料とは?相場の5%は高い?安い?専門家に聞いた適正基準

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賃貸経営を始めると、必ず意識せざるを得ないのが「賃貸管理手数料」です。「相場は本当に5%なのか?」「その5%は何に使われているのか?」「3%や0円をうたう管理会社との違いは?」こうした疑問をお持ちのオーナー様は少なくありません。

手数料だけを見て「安いから」と管理会社を選んでしまうと、後から「必要なサービスが含まれていなかった」「気づいたら別の名目の費用が積み上がっていた」といった失敗につながることがあります。

そこで本記事では、実際に賃貸管理の現場を知る賃貸管理の専門家へのインタビューをもとに、賃貸管理手数料の基本から、形態別の相場、手数料がどう決まるのか、そしてオーナー様にとって「本当に意味のある管理会社の選び方」までを、できるだけわかりやすく整理しました。

現在すでに管理会社に委託している方はもちろん、これから委託を検討している方にとっても、「手数料」というコストを単なる支出ではなく、賃貸経営の質を高めるための投資として捉え直すきっかけになるはずです。

この記事でわかること

この記事では、賃貸経営における重要なコストである「賃貸管理手数料」について、まずは賃貸管理手数料とは何か、どのような業務の対価なのかという基本的な仕組みから解説していきます。そのうえで、一般管理、3%プラン、サブリースなど契約形態ごとの相場や考え方の違いを整理し、さらに手数料が高くなったり安くなったりする理由、「手数料0円」といったサービスのからくりにも踏み込んでいきます。

また、管理手数料を払うことの意味や、空室リスク軽減といった投資効果について、専門家の視点を交えながら説明し、最終的には失敗しない管理会社の選び方のポイントまでを、一連の流れで理解できる構成になっています。単なる相場情報にとどまらず、「なぜその金額になるのか」「その金額にどんな価値が含まれているのか」という本質的な部分を、現場感のあるコメントとともに掴んでいただけるはずです。

賃貸管理手数料の基本知識

賃貸管理手数料の基本知識の要約画像

賃貸管理手数料という言葉は聞いたことがあっても、「具体的にどんな業務の対価なのか」「どこまでが月額の中に含まれていて、どこからが別料金なのか」は、意外と分かりにくいものです。まずは、賃貸管理手数料の位置づけと、一般的にどのような業務が含まれているのか・含まれにくいのかを整理しながら、全体像をつかんでいきましょう。

賃貸管理手数料とは

賃貸管理手数料とは、不動産オーナーに代わって賃貸物件の管理・運営業務を行う管理会社へ支払う報酬です。副業オーナーの方や複数物件を所有している方にとって、入居者対応や家賃管理を自分で行うのは現実的ではありません。そのため、専門の管理会社に業務を委託し、その対価として毎月支払うのが管理手数料です。

業界では長年の慣習として「相場は5%前後」とされています。これは法律で決められているわけではなく、オフィス費用や人件費、システム運用費などをまかないながら事業を継続できる、いわば現実的なラインとして定着している数字だと専門家は説明します。

この手数料によって、オーナー様は深夜のトラブル対応や滞納者への督促など、ストレスの大きい業務から解放されます。つまり管理手数料は、オーナー様の時間と精神的な余裕を買うためのコストとも言えます。

手数料に含まれる業務範囲

管理手数料に含まれる業務は会社やプランによって異なりますが、一般的には、入居者募集や契約手続き、家賃の集金と送金、滞納時の督促、入居者からの問い合わせ・クレーム対応、簡易的な点検や定期巡回、退去受付や立ち会い、原状回復の手配と敷金精算といった一連の流れをカバーしていることが多いです。

ただし、どこまでを月額管理料に含めるかは会社によって異なります。たとえば退去立ち会いを管理料に含める会社もあれば、別料金とする会社もあります。業界全体として明確なルールがあるわけではないため、同じ「5%」でも実際に受けられるサービスには大きな差があります。パーセンテージだけでなく、契約書や業務仕様書で内容を確認することが大切です。

手数料に含まれない業務範囲

一方、賃貸管理手数料ではカバーされず、別途費用が発生しやすい業務もあります。退去後の原状回復工事費用や、空室対策としてのリフォーム・リノベーション費用、エアコンや給湯器など設備の交換費用、消防設備点検や貯水槽清掃といった法定点検の実費などは、オーナー負担になるのが一般的です。

訴訟対応などで弁護士に相談・委任する場合も、管理会社が窓口になることはあっても、専門家費用自体は別途かかります。また、更新時の更新事務手数料や、新規募集時の広告料などが請求されるケースもあります。

こうした細かい費用設計は会社ごとに異なります。振込手数料の扱いひとつ取っても、ネットバンキングを活用してコストを抑えている会社もあれば、毎回の送金に手数料を上乗せする会社もあります。月々の管理料だけで比較するのではなく、年間を通じたトータルコストで見極めることが大切です。

 

賃貸管理手数料の相場

賃貸管理手数料の相場の要約画像

では、実際にどのくらいの管理手数料が相場なのでしょうか。ここでは、代表的な3つの契約形態に分けて整理してみましょう。

一般管理委託の相場(家賃の5%前後)

最も一般的なのが、入居者募集から契約、入居中対応、退去精算までを一括して任せる「一般管理委託」です。この場合の手数料は、月々の総家賃収入の5%前後(別途消費税)が一つの目安とされています。

たとえば家賃10万円の部屋であれば、月額5,000円(税別)の管理手数料が発生し、その中に基本的な管理業務の多くが含まれます。専門家によれば、5%という数字は「サービスを安定的に提供できる現実的な水準」です。オフィスの家賃や人件費、システム費用などを考慮すると、5%程度は必要になるケースが多く、この水準を維持することで一定の品質を保つことができるといいます。

ただし、これはあくまで目安であり、物件の立地や規模、築年数によっては4%台や6%台になることもあります。重要なのは「5%かどうか」ではなく、「その5%にどこまでの業務が含まれているのか」という点です。

3%前後のプラン(コストを抑えた管理プラン)

近年は、月額手数料3%前後という比較的リーズナブルな管理プランも増えています。世間ではこうしたプランを「集金代行」や「簡易管理」と呼ぶこともありますが、実際には家賃の送金処理だけにとどまらず、入居中のトラブル対応まで含めて管理業務全般を行っているケースも少なくありません。

専門家によれば、この3%前後の料金体系は「本当に5%分のサービスが必要なのか」という問いから生まれたもので、業務の効率化やITシステムの活用によって成り立っている場合が多いといいます。特に家賃水準の高い都市部では、3%でも十分に運営が可能であり、「料率が低いから必ずサービス品質が劣る」というわけではありません。

一方で、会社によってサービス内容の設計は大きく異なります。設備トラブル対応や退去立ち会い、24時間サポートなどが標準で含まれているのか、それともオプション扱いなのか。広告料や更新手数料がどの程度発生するのか。数字だけを見ずに、具体的な業務内容とあわせて確認しておくことが大切です。

地域差による10%前後のケース

家賃水準が低い地域では、3%の手数料では管理会社の採算が合わず、10%前後の手数料を設定しているケースも少なくありません。家賃相場が低いほど1戸あたりの管理料も小さくなるため、一定の収益を確保するには料率を上げざるを得ないという事情があります。

専門家も「地方では5〜10%が現実的なライン」と話します。家賃1戸あたり1,500円前後の管理料でも、数多くの戸数を抱えてようやく事業として成り立つ場合があり、地域の家賃水準や競合環境によって相場は変動します。全国一律の数字で判断せず、必ず複数社から見積もりを取り、エリア特性を踏まえて比較検討することが大切です。

サブリース契約の相場(家賃の10〜20%)とそのリスク

サブリース契約は、管理会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する仕組みです。空室があっても一定の保証賃料が支払われるため、一見すると安定収入を得られるように見えますが、実際には家賃の10〜20%程度という高めのマージンが差し引かれることになります。

専門家は、この契約形態について「解約の難しさ」と「売却価格への悪影響」に特に注意が必要だと指摘します。サブリース会社が借主となるため、借地借家法によって保護され、オーナー側から解約することは容易ではありません。解約時に高額な違約金が発生するケースもあります。

さらに、実際の賃料が周辺相場より低く設定される傾向にあり、その賃料を前提に利回りが計算されるため、将来的な売却時に物件価格が下がってしまうリスクもあります。安定収入という表面的なメリットだけにとらわれず、将来の売却や出口戦略まで含めたトータルの投資判断として契約内容を見極めることが重要です。

 

賃貸管理手数料の決まり方

賃貸管理手数料の相場の要約画像

賃貸管理手数料は、単に「相場だから」「何となくこのくらいで」と決まっているわけではありません。実際には、業務内容や会社の体制、地域性など、複数の要因が重なり合って設定されるものです。

業務範囲による価格設定

もっともわかりやすいのは、委託する業務範囲による違いです。提供されるサービスの量や質が増えるほど、当然ながら管理手数料も高くなります。

たとえば、24時間365日の緊急駆けつけサービスを自社で運営しているのか、家賃滞納時に一定期間立替を行う滞納保証が付いているのか。共用部の清掃頻度が月に一度なのか、週に一度なのか。建物診断や長期修繕計画まで提案してくれるのか。こうした違いは、そのまま料金に反映されます。

大切なのは、「自分の物件にとって本当に必要なサービスは何か」を明確にしたうえで、複数社の見積もりを比較することです。不要なサービスまで含まれた高額プランを選ぶ必要はありませんが、逆に必要なサポートを削りすぎてトラブルや空室リスクを高めてしまっては本末転倒です。料金だけに注目するのではなく、提供内容とのバランスを見極めることが欠かせません。

管理会社の規模・売上構成と専門性

管理会社の規模や専門性も、手数料の設定に影響します。専門家は「どのような構成で会社が収益を上げているのか」という点に注目することを勧めています。

売上の多くを売買仲介手数料に依存している会社は、市場の景気変動によって経営が左右されやすい傾向があります。一方で、売上の八〜九割が管理事業に由来している会社は、管理そのものを事業の軸として捉えているケースが多く、長期的な安定性や対応の継続性という面で信頼しやすいと言えます。

また、会社の資金力や無借金経営であるかどうかも確認しておきたいポイントです。家賃の入金とオーナーへの送金の間には必ずタイムラグが生じるため、資金繰りに余裕のない会社だと、最悪の場合「家賃の使い込み」といったトラブルにつながるリスクも否定できません。管理戸数が年々増えているかどうかも、会社の健全性を測る一つの指標になります。

さらに、管理会社によっては、デザイナーズ物件に強い会社、単身者向けに特化している会社、外国籍入居者の受け入れ実績が豊富な会社など、分野ごとの強みを持っていることもあります。自分の物件のタイプと管理会社の得意分野が一致しているかどうかは、手数料に見合う価値を得られるかどうかを左右する重要なポイントです。

地域特性と競合状況

物件が所在するエリアによっても適正な手数料水準は異なります。家賃が高く管理戸数の多い都市部では3〜4%でもビジネスとして成り立ちますが、家賃水準が低く戸数も限られる地方では、同じ料率では採算が取れないこともあります。

また、管理会社が集中する「激戦区」では価格競争が起きやすく、キャンペーンとして数か月間だけ手数料を無料にしているケースも見られます。ただし、こうした一時的な割引やキャンペーンに惑わされず、「平常時の料率とサービス内容のバランス」で判断することが大切です。

 

手数料が高い理由と安い理由

管理手数料には「高い会社」と「安い会社」があり、その差は決して偶然ではありません。同じ“賃貸管理”というサービスでも、提供している業務の範囲や体制づくり、会社がどこにコストをかけているかによって、必要となる手数料は大きく変わります。

ここでは、手数料が高くなる場合と安くなる場合、それぞれの背景をわかりやすく整理し、「金額の違いをどう読み解けばいいのか」を理解しやすくまとめていきます。

手数料が高くなる要因

手数料が高い会社ほど、オーナーに代わって行う業務の範囲が広く、対応体制が手厚い傾向があります。たとえば、24時間365日の自社コールセンターを設けて緊急対応を行っていたり、担当者一人あたりの担当戸数を少なくして、きめ細かなフォロー体制を整えているケースが挙げられます。

家賃滞納時の立替保証や設備保証など、オーナー側のリスクを肩代わりする仕組みを備えている会社もあります。市場データに基づいた賃料改定の提案や、資産価値向上のためのコンサルティングまで行う会社もあり、こうした「サービスの厚み」や「保証の充実度」が、手数料の高さに反映されていることが多いのです。

専門家も「管理手数料が上がれば運営は楽になる」と率直に語ります。手数料が十分に確保できれば人員体制を強化したり、広告費を投入したりできるため、運営の安定性は増します。ただし、その分サービスの質が必ずしも保証されるわけではありません。金額だけにとらわれず、「何にコストをかけているのか」を見極めることが大切です。

手数料が安くなる要因

一方で、手数料が安い会社は、運営の効率化によってコストを抑えている場合が多いです。報告書ややり取りをすべてオンライン化して郵送費を削減したり、業務範囲を必要最低限に絞ったり、担当者一人あたりの担当戸数を増やして人件費を抑えるなど、運営体制の工夫で低価格を実現しています。

ただし、安い理由のすべてが「企業努力」とは限りません。月額手数料を安く設定する代わりに、退去時の原状回復工事で高いマージンを取ったり、広告料を高めに設定して回収したりと、別のところで収益を上げているケースも見られます。

専門家は、「料率が低いこと自体が悪いわけではないが、安さの理由が説明できない会社には注意してほしい」と言います。月額の数字だけで判断するのではなく、長期的に見たときのトータルコストと、どこで利益を上げているビジネスモデルなのかを確認しておくことが重要です。

「手数料0円」の管理会社の仕組み

近年、「管理手数料0円」「0円管理」といったキャッチコピーを掲げる会社も増えています。一見すると非常に魅力的に見えますが、実際には0円で利益を上げる構造を持つことはほぼ不可能です。

専門家も、「0円で管理を成立させることは現実的ではない」と明言します。賃貸管理で利益が出ない場合、会社は売買や客付けで利益を補うしかなくなります。その結果、入居者に長く住んでもらうという本来の賃貸経営の目的から外れ、短期的な入れ替えを前提としたビジネスに偏ってしまうリスクがあります。

実際のところ、「0円管理」とうたうサービスの多くは、退去後の原状回復工事に高いマージンを乗せたり、広告料を二〜三か月分に設定してその一部を収益化したり、インターネット回線や保険などの紹介料を得るといった形で利益を確保しています。表面上の月額が0円でも、長期的には高くつく場合があるため、トータルコストでの比較が欠かせません。

 

管理手数料を払う意味と投資効果

ここまで見てくると、「できるだけ手数料は安く抑えたい」と感じる方もいるかもしれません。しかし、管理手数料は単なるコストではなく、長期的に見れば投資としての意味を持つ費用です。

プロによる管理業務の価値

賃貸経営には、法律や税務、建築、設備など、さまざまな専門知識が求められます。これらをすべて自分で把握し、常に最新の情報に更新し続けるのは現実的ではありません。

その点、プロの管理会社であれば、最新の法律や判例を踏まえた契約書の整備や、トラブル時の適切な対応、建物の状態を踏まえた劣化の早期発見や修繕提案まで、幅広く対応してくれます。専門家は、自主管理の現場では契約書の不備や更新手続きのミスが原因でトラブルになることも少なくないと指摘します。緊急時に悪徳業者に高額請求をされてしまうケースもあり、適正な価格で信頼できる業者を手配できる管理会社の存在は、オーナーにとって大きな安心材料になります。

こうしたサポートを通じて、オーナーの資産を守りながら長期的に育てていく役割を果たしているのが管理会社です。管理手数料は、そうした専門性と経験を借りるための利用料とも言えます。

空室リスクの軽減効果

賃貸経営における最大のリスクは空室です。空室期間が一か月短くなるだけでも、家賃一か月分の収入が変わることを考えると、管理の質がいかに重要かがわかります。

専門家は、空室リスクを減らすためには「賃料設定」と「募集の早さ」が鍵だと話します。市場での閲覧数を増やすためには、周辺相場を踏まえた適切な賃料設定が不可欠です。退去の連絡を受けた時点で、原状回復前であってもできる範囲で募集を開始し、内見の母数を増やすことが重要になります。

実務の感覚としては、入居可能になってからの空室期間は一か月以内を目標とし、週に一件以上の内見があれば一か月以内に決まる可能性が高いとされています。週二件以上の内見があれば二〜三週間で決まるケースも多い一方で、月に一件程度しか内見が入らない物件は、賃料設定や募集条件を見直さない限り、長期空室になるリスクが高まります。

良い管理会社は、募集条件の調整や写真・紹介文の改善、ポータルサイトや仲介会社への露出強化などを通じて、入居率の底上げに取り組みます。専門家の肌感覚では、適切な募集活動を行えば、入居率は97〜98%程度まで引き上げることが十分に可能だといいます。

たとえば家賃10万円の物件なら、空室期間を一か月短縮するだけで10万円の収入増となり、年間の管理手数料(5%で約6万円)を上回る効果が出ることも十分にあり得ます。こう考えると、管理手数料は空室リスクを抑えるための保険料のような意味合いも持っていると言えるでしょう。

 

オーナーの負担軽減メリット

もう一つ大きな価値が、オーナー自身の時間と精神的な負担を軽減できることです。自主管理の場合は、入居希望者への内見調整や案内、家賃の入金確認や滞納督促、設備や騒音トラブルへの対応、退去立ち会いや原状回復の手配など、煩雑な業務をすべて自分で行う必要があります。

こうした作業は本業や家庭の時間と重なりやすく、長期的にはかなりのストレスや負担につながります。専門家は、不動産オーナーの時間は「時は金なり」という考え方に基づき、非常に価値があると強調します。高収入の本業を持つオーナーほど、自主管理によってトラブル対応に時間を費やすことは、大きな機会損失になりかねません。

一方で、管理会社に委託すれば、オーナーの役割は「報告書を確認し、必要な判断を下すこと」に集約されます。浮いた時間を本業や新たな投資、家族との時間に充てられると考えれば、管理手数料は単なる支出ではなく、時間と安心を買うための費用と言えるでしょう。

さらに、自主管理物件をオーナーチェンジで売却する際には、契約書の整備状況や保険加入の有無が不透明なことが価格のマイナス要因になる場合があります。管理体制がきちんとしている物件は、出口戦略の面でも評価されやすく、管理を委託することが将来の売却価格を守ることにもつながります。

 

適正な管理会社の選び方

最後に、オーナー様が後悔しない管理会社選びをするために、特に押さえておきたいポイントを整理します。

関連記事:不動産投資での管理会社の選び方|失敗しない7つのポイントで収益最大化を実現

手数料と業務内容のバランスを比較する

まず見るべきは、手数料と業務内容のバランスです。複数社から見積もりを取り、基本手数料率にどこまでの業務が含まれているのかをしっかり確認しましょう。

24時間対応が含まれているのか、滞納保証の有無や条件はどうか、清掃や巡回の頻度はどれくらいか。更新時の事務手数料は発生するのか、広告料をどの程度負担する必要があるのか。こうした点を一つひとつ確認していくと、実際のコスト感が見えてきます。

一見安そうに見える会社でも、オプションや広告料の負担によって結果的に割高になる場合もあります。逆に、一見高くても必要なサービスがすべて含まれており、トータルで見れば割安というケースも少なくありません。数字だけで判断せず、内容とコストの釣り合いを見極めることが大切です。

入居率や管理実績などの“数字”を確認する

次に重視したいのが、その会社の募集力・管理力を示す客観的な数字です。平均入居率や平均空室期間、自分の物件と近いエリア・物件タイプでの成約実績などを確認してみましょう。

管理戸数が右肩上がりで増えているかどうかも、会社の成長性や信頼度を測る一つの指標になります。専門家によれば、適切な募集活動を行っている会社であれば、入居率は97〜98%前後まで高めることが十分に可能です。こうした数字をきちんと説明できる会社は、自社の強みや弱みを把握し、日々改善に取り組んでいる会社と言えます。

単に「うちは入居率が高いです」といった抽象的な説明ではなく、具体的な根拠やデータを提示できるかどうかが信頼性の分かれ目です。

契約前に確認したい主なポイント

管理委託契約を締結する前には、手数料率だけでなく、契約条件も必ず確認しておきたいところです。専門家は、特に次のような項目を事前に見ておくことを勧めています。

まず、解約時の違約金がどう定められているかです。中途解約の際に高額な違約金が発生する条件になっていないか、更新時期以外は一切解約できないような条項になっていないかを確認しておきましょう。

次に、退去立ち会いの費用がどのような扱いになっているかです。月額管理料に含まれている会社もあれば、1件ごとに費用が発生する会社もあります。管理登録時の初期費用がどの程度必要なのかも、トータルコストを考えるうえで重要です。

また、保証会社を利用している場合は、管理会社を切り替えるときに保証契約を引き継いでいるかどうかもポイントになります。保証会社の引き継ぎが可能であれば、オーナーにとっても入居者にとっても負担が少なく、スムーズな管理会社変更がしやすくなります。

担当者の対応力と、会社の“軸”を見極める

最後に確認したいのが、担当者の対応力と、会社としての事業の軸です。問い合わせへのレスポンスが早く、専門的な質問にも根拠を示して答えてくれるか。問題点を指摘するだけでなく、改善策まで提案してくれるか。そうしたやり取りの中で、「この人になら任せられる」と感じられるかどうかが判断の決め手になります。

専門家は、オーナーから最も信頼される担当者の条件として「問題が起きたときに逃げないこと」と「レスポンスの速さ」を挙げています。レスポンスは単にメールの返信速度だけでなく、「いつまでにどのような案を出すのか」といった見通しをきちんと示せるかどうかも含まれます。今後の見通しが分からない仕事は、オーナーにとって大きな不安の原因になるからです。

また、その会社がどこから主な収益を得ているかを確認することも重要です。売上の大半を管理業務から得ている会社は、「管理」を事業の柱としており、オーナーと長期的に伴走する姿勢が見えやすい傾向があります。一方で、売買仲介など他の事業が中心の会社は、短期的な利益構造に偏りやすく、長期的な資産運用パートナーとしては方向性が異なる場合もあります。

 

まとめ

賃貸管理手数料は、単なるコストではなく、オーナーの資産を守り、育てるための投資です。「安ければお得」という単純なものではなく、業務内容や会社の姿勢、担当者の対応力など、目に見えにくい部分にも大きな差があります。

複数の見積もりを比較する際は、料率だけでなく「どこまでを任せられるのか」「どんなリスクを減らせるのか」を見極めることが重要です。数字だけでは判断できない安心感や、継続的なサポート力こそが、長期的に見たリターンの差を生みます。

そして何より、オーナー自身が「この会社、この担当者なら信頼できる」と思えるかどうか。その直感は、実際に長く安定した賃貸経営を続けていくうえで、何より確かな判断基準になります。本記事が、そうしたパートナー選びの一助になれば幸いです。