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サブリース契約とは何か?仕組みとリスクを踏まえたメリット・デメリットと注意点

サブリース契約とは何か?仕組みとリスクを踏まえたメリット・デメリットと注意点のアイキャッチ

賃貸経営を行うオーナーにとって、物件の管理方法の選択は収益を左右する重要な判断です。その選択肢の一つであるサブリースは、不動産会社から提案されることも多く、家賃保証という言葉に安心感を覚える方もいます。

一方で、サブリース契約は賃料の見直しや解約条件をめぐるトラブルも報告されており、契約前に仕組みとリスクを理解することが欠かせません。実際に、関係省庁からも注意喚起が出されています。

この記事では、サブリースの基本的な仕組み、メリットとデメリット、起こりやすいトラブル、契約前に確認したいポイントまでを整理します。検討中の方はもちろん、すでに契約中で不安がある方も、判断の軸を作るためにご活用ください。

 

この記事でわかること

この記事では、サブリース契約の仕組みを、オーナー、サブリース会社、入居者の関係とお金の流れから整理します。一般管理や自主管理との違いも併せて確認できるため、どの管理方法が自分に合うか判断しやすくなります。

また、家賃保証と呼ばれる仕組みの実態として、保証賃料の考え方や見直しが起こり得る点、解約条件でつまずきやすい点をまとめます。契約前の見落としが、そのまま将来の収支リスクにつながりやすいテーマだからです。

さらに、賃料減額や契約解除などのトラブル例を通して、契約書で特に確認したい項目を具体化します。検討中の方も、契約中の方も、現実的な打ち手を考える材料として読める構成にしています。

 

サブリースとは

サブリースとは、不動産オーナーが所有する物件をサブリース会社が一括で借り上げ、そのサブリース会社が入居者に転貸する仕組みのことです。この章では、サブリースの基本的な仕組みや他の管理方法との違い、家賃保証の実態について詳しく説明します。

サブリース契約を正しく理解するためには、まず関係者の役割と資金の流れを把握することが重要です。また、一般管理や自主管理と比較することで、それぞれの特徴やコスト構造の違いが明確になります。

サブリース契約の仕組み

サブリース契約では、オーナー・サブリース会社・入居者という三者の関係が成立します。オーナーはサブリース会社と「マスターリース契約」を結び、物件を一括で貸し出します。サブリース会社はその物件を実際の入居者に転貸し、入居者から家賃を受け取ります。オーナーに対しては、サブリース会社があらかじめ取り決めた金額を毎月支払う仕組みです。

このとき、オーナーが受け取る金額は入居者が支払う家賃よりも低く設定されています。その差額がサブリース会社の収益となり、管理業務の対価として機能しています。国土交通省が2020年12月に施行した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」では、サブリース業者に対して重要事項の説明義務や契約書面の交付義務が課されました。これは過去にサブリースを巡るトラブルが多発したことを受けた措置です。

オーナーにとって重要なのは、サブリース会社との契約において借地借家法が適用される点です。この法律により、サブリース会社は借主として保護される立場にあります。そのため、オーナーがサブリース会社との契約を解除しようとしても、「正当事由」がなければ解約できないケースが生じます。この点は後述するデメリットやトラブル事例で詳しく説明します。

一般管理・自主管理との違い

賃貸物件の管理方法は、大きく分けて「サブリース」「一般管理(管理委託)」「自主管理」の三つがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に適した方法を選びやすくなります。

一般管理とは、オーナーが管理会社に入居者募集や家賃回収、クレーム対応などの業務を委託する方式です。オーナーと入居者の間で直接賃貸借契約が結ばれ、管理会社はあくまで業務の代行を行う立場です。管理手数料は賃料の約5%前後が相場とされており、サブリースと比較すると低コストで運営できます。ただし、空室が発生した場合は家賃収入がゼロになるリスクをオーナーが負います。

自主管理は、オーナー自身がすべての管理業務を行う方式です。管理費用がかからないため収益性は最も高くなりますが、入居者対応や修繕手配、家賃督促などに相当な時間と労力が必要です。本業を持つオーナーや遠方に物件を所有するオーナーには負担が大きい方法といえます。

サブリースは家賃保証がある代わりに、手数料として賃料の10%から20%程度が差し引かれます。管理の手間をほぼゼロにできる一方で、収益性は三つの方式の中で最も低くなる傾向があります。

家賃保証の仕組みと保証率の相場

サブリース契約の最大の特徴は「家賃保証」です。空室が発生しても、サブリース会社からオーナーへ一定額が支払われる仕組みになっています。しかし、この保証金額は入居者が支払う実際の家賃よりも低く設定されている点を理解しておく必要があります。

保証率の相場は、一般的に賃料の80%から90%程度です。たとえば、入居者から月額10万円の家賃を受け取れる物件であれば、オーナーが受け取る保証賃料は8万円から9万円程度となります。この差額である1万円から2万円がサブリース会社の取り分です。

保証率は物件の立地や築年数、入居率の見込みによって変動します。駅から近く需要の高いエリアでは保証率が高くなり、郊外や築古物件では低くなる傾向があります。また、サブリース会社によっても設定が異なるため、複数社から見積もりを取って比較することが重要です。

注意すべき点として、保証率が契約期間中ずっと同じ条件で維持されるとは限らないことが挙げられます。保証賃料の見直しについては、契約条項に基づいて協議が行われる仕組みとなっており、市場環境や物件の状態によっては減額が提示される場合があります。そのため、契約書に記載された見直し条件や手続きの内容を、事前に十分確認しておくことが重要です。

 

サブリース契約のメリット

サブリース契約のメリットの要約画像

サブリース契約には、管理業務の軽減や収入の見通しを立てやすくなるといった特徴があります。特に、賃貸経営に多くの時間を割けないオーナーにとっては、一定の利点と感じられる場面もあります。

一方で、これらのメリットは契約条件によって成り立つものであり、収益性や自由度との引き換えである点を理解しておく必要があります。ここでは、一般的に挙げられる主なメリットを整理します。

管理業務の負担軽減

サブリース契約では、入居者募集や契約手続き、家賃回収、クレーム対応、退去対応といった管理業務をサブリース会社が担います。そのため、オーナーが日常的に入居者対応を行う必要は少なくなります。
本業が忙しい場合や、物件が自宅から離れた場所にある場合には、管理にかかる時間や手間を抑えられる点がメリットといえます。

ただし、管理を委ねている場合でも、物件の所有者としての責任がなくなるわけではありません。管理状況や物件の状態については、定期的に把握しておくことが望まれます。

空室・滞納対応の実務負担が軽減される場合がある

サブリース契約では、空室が発生しても一定額の保証賃料が支払われる仕組みが取られているケースがあります。また、入居者の家賃滞納が発生した場合でも、督促や手続きはサブリース会社が対応するため、オーナーが直接関与する場面は限定的です。
このように、空室や滞納に関する実務対応をサブリース会社に任せられる点は、管理負担を軽減する要素の一つといえます。

一方で、空室や滞納が長期化した場合には、保証条件の見直しが協議される可能性があるため、リスクが完全になくなるわけではありません。

収入の見通しを立てやすい

サブリース契約では、毎月の受取額があらかじめ定められているため、収入の見通しを立てやすくなります。月々の収入が大きく変動しにくいことから、ローン返済や資金計画を考える際の参考にしやすい側面があります。
一般管理や自主管理では、空室の有無によって収入が変動するため、この点を不安に感じるオーナーにとっては一定の安心材料となる場合があります。

ただし、保証賃料は契約期間中ずっと同額で固定されるとは限らず、見直し条項に基づいて変更される可能性がある点には注意が必要です。

収支管理が比較的シンプルになる

サブリース契約では、オーナーが受け取る収入がサブリース会社からの一括入金となるため、家賃管理や帳簿付けが比較的シンプルになります。
複数の入居者ごとの入金管理や、入退去に伴う日割り計算が不要になるケースもあり、確定申告時の事務負担が軽減される場合があります。

一方で、修繕費や固定資産税など、オーナーが負担する支出は引き続き発生します。サブリース契約によって、すべての経理業務が不要になるわけではない点は理解しておく必要があります。

 

サブリース契約のデメリット

サブリース契約のデメリットの要約画像

サブリース契約には一定のメリットがある一方で、オーナーにとって無視できないデメリットも存在します。
特に「家賃保証」という言葉から想像されるイメージと、実際の契約内容との間にはギャップが生じやすく、十分な理解がないまま契約するとトラブルに発展するケースも少なくありません。

消費者庁も、サブリース契約について繰り返し注意喚起を行っています。ここでは、オーナーが事前に把握しておくべき主なデメリットを整理します。

実際に発生しているサブリース契約のトラブル事例や相談内容については、別記事で詳しく解説しています。契約判断の参考としてあわせてご確認ください。

関連記事:サブリース契約トラブルの実態と対処法を徹底解説|オーナー必読ガイド

収益性が大きく下がる

サブリース契約の最大のデメリットは、長期的な収益が大きく減少する点です。サブリース会社の収益源は、オーナーから差し引かれる保証賃料の一部であり、一般的に相場家賃の10〜20%程度が差し引かれます。

たとえば、月額家賃10万円の物件を10戸所有している場合、本来の家賃収入は月100万円です。保証率85%のサブリース契約を結ぶと、受取額は月85万円となり、年間で180万円の差が生じます。

一般管理の管理手数料が5%前後であることを考えると、サブリースのコストは割高です。入居需要が高いエリアでは、空室リスクを抑えつつ一般管理で運営したほうが、結果的に収益が高くなるケースもあります。

家賃が減額されるリスクがある

サブリース契約では、「家賃保証」と説明されていても、保証賃料が固定され続けるわけではありません契約条項に基づき、周辺相場の下落や稼働状況を理由に、保証賃料の見直し(減額)が協議される可能性があります。

サブリース会社は借地借家法上の「借主」にあたり、賃料の増減を請求できる立場にあります。過去の最高裁判決でも、サブリース契約に借地借家法が適用されることが認められています。

そのため、「30年一括借り上げ」「長期家賃保証」といった説明があっても、金額が30年間維持されるとは限りません。
家賃減額によって収支計画が崩れ、ローン返済に影響が出るケースも報告されています。

免責期間により収入が発生しない場合がある

サブリース契約には、免責期間が設けられていることがあります。免責期間とは、契約開始直後や入居者の入れ替わり時などに、保証賃料が支払われない期間のことです。

免責期間の有無や長さは契約によって異なりますが、この期間中は家賃収入が発生しません。入退去が多い物件では、年間を通じて受け取れる金額が想定より少なくなる可能性があります。

「家賃保証」という言葉だけで判断せず、いつ・どの期間が免責となるのかを契約書で確認することが重要です。

入居者を選ぶことができない

サブリース契約では、入居者の募集・審査はサブリース会社が行います。オーナー自身が入居者を選ぶことはできず、入居者の属性や使用状況を把握しにくくなります。

サブリース会社は空室期間を短くすることを重視するため、オーナーの意向よりも成約を優先した審査が行われる可能性があります。その結果、入居者トラブルや物件価値の低下につながるリスクも考えられます。

長期的に物件を良好な状態で維持したいオーナーにとっては、入居者をコントロールできない点は注意が必要です。

解約の難しさ

サブリース契約は、オーナー側から簡単に解約できない点も大きなデメリットです。サブリース会社は借地借家法上の借主として保護されるため、オーナーからの一方的な解約は制限されます。

解約には「正当事由」が求められ、収益性の悪化や管理会社を変更したいといった理由では認められない可能性があります。また、違約金や長期の事前通知が必要となるケースも少なくありません。

消費者庁の注意喚起でも、解約を巡るトラブルは多く報告されています。契約前に、解約条件と将来的な制約を十分に確認しておくことが不可欠です。

サブリース会社の経営リスクを受ける

サブリース契約では、オーナーはサブリース会社の経営状況に大きく依存することになります。万が一、サブリース会社が経営破綻した場合、保証賃料の支払いが停止する可能性があります。

サブリース会社が倒産すると、入居者との賃貸借契約をオーナーが引き継ぐケースもあり、契約内容や入居者情報の把握に時間と手間がかかることがあります。また、敷金の取り扱いなどを巡ってトラブルが生じる可能性もあります。

「家賃保証」は、サブリース会社が継続して事業を行っていることが前提となります。契約前には、保証条件だけでなく、サブリース会社の財務状況や事業の安定性にも目を向ける必要があります。

 

サブリース契約前に確認すべきチェックポイント

サブリース契約を検討する際には、契約内容を細かく確認することが不可欠です。「家賃保証」という言葉だけで判断せず、具体的な条件やリスクを把握した上で契約を結ぶことが重要です。

国土交通省は賃貸住宅管理業法の施行に伴い、契約前に確認すべき重要事項のチェックリストを公表しています。ここでは、その内容も踏まえて、オーナーが特に注意すべきポイントを五つ解説します。

家賃保証率と見直し期間

契約における保証率がいくらか、そしてその保証率がいつ見直されるかは最も重要な確認事項です。保証率が高くても、頻繁に見直しが行われる契約では実質的な収入が不安定になります。

保証率の目安は相場家賃の80%から90%程度とされていますが、実際の条件は物件の立地や築年数、サブリース会社の方針によって異なります。契約書では、保証率だけでなく、賃料の見直しがどのような条件や手続きで行われるのかが明記されているかを確認することが重要です。見直しのタイミングについても一定期間ごとに協議する形が取られる場合が多いものの、その頻度は契約内容によって差があります。

また、見直しの際にどのような基準で保証率が決まるのかも重要です。周辺相場との比較、物件の稼働率、築年数の経過による減価など、見直しの根拠が明確になっていれば、将来の収入を予測しやすくなります。

複数のサブリース会社から見積もりを取り、保証率と見直し条件を比較検討することをおすすめします。保証率が高い会社を選ぶだけでなく、長期的な安定性も考慮して判断してください。

免責期間の設定

免責期間とは、一定の条件下で保証賃料が支払われない期間のことを指し、この期間が長いほどオーナーの実質的な収入は減少します。免責期間の有無や長さはサブリース契約ごとに異なり、契約書に明記されている内容を確認することが欠かせません。

特に、新築時の入居者募集期間や、入居者の退去後に再募集を行う場合など、どの場面で免責期間が発生するのかは契約によって取り扱いが異なります。退去のたびに免責期間が生じるのか、一定条件下では免責とならないのかといった点は、収支に影響する重要な要素です。

また、免責期間中であっても、ローン返済や固定資産税、修繕費などの支出は継続します。そのため、免責期間を前提とした収支シミュレーションを行い、資金繰りに無理が生じないかを事前に確認しておくことが大切です。

解約条件と違約金

サブリース契約を途中で解約する場合の条件は、契約前に必ず確認しておくべきポイントです。解約が困難な契約を結んでしまうと、将来的な方針変更が難しくなります。

解約条件として確認すべき項目は、解約の事前通知期間、違約金の有無と金額、正当事由の要否などです。事前通知期間は3ヶ月から6ヶ月が一般的ですが、契約によってはそれ以上の期間が設定されていることもあります。違約金については、残存契約期間分の家賃相当額を求められるケースもあり、高額になる可能性があります。

また、サブリース会社側からの解約条件も確認しておくことが重要です。サブリース会社から一方的に解約を申し入れられる条件が緩い場合、保証の安定性が損なわれる可能性があります。

将来的に物件を売却したり、管理方法を変更したりする可能性を考慮し、柔軟性のある契約条件を交渉することも検討してください。不明な点は契約前に書面で確認することが大切です。

修繕費・原状回復費の負担

物件の維持管理に関わる費用をオーナーとサブリース会社のどちらが負担するかは、契約によって異なります。この点を明確にしておかないと、想定外の出費が発生する可能性があります。

一般的に、大規模修繕や外壁・屋根の補修などはオーナーの負担とされることが多いです。一方、室内の原状回復費用については、サブリース会社が負担するケースとオーナーが負担するケースがあります。契約内容を細かく確認し、どの範囲までがサブリース会社の負担かを把握しておくことが重要です。

また、サブリース会社指定の業者でなければ修繕を行えない契約もあります。この場合、相場より高い費用を請求される可能性があるため注意が必要です。修繕業者の選定権がオーナーにあるかどうかも確認しておきましょう。

長期的な賃貸経営では、建物の経年劣化に伴う修繕費用は避けられません。修繕費用の負担区分を明確にし、将来の出費を見込んだ収支計画を立てることが大切です。

サブリース会社の信頼性

サブリース契約は長期にわたる関係となるため、サブリース会社の信頼性は非常に重要です。経営状況が悪化したり、倒産したりすれば、オーナーに大きな影響が及びます。

サブリース会社の信頼性を判断する材料として、業歴の長さ、管理戸数、財務状況、口コミや評判などがあります。上場企業であれば財務諸表が公開されているため、経営の安定性を確認できます。非上場企業の場合は、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの企業情報サービスを利用して調べることができます。

また、2021年6月からは賃貸住宅管理業の登録制度が始まり、一定規模以上の管理業者は国土交通省への登録が義務付けられています。登録業者かどうかを確認することも、信頼性を判断する一つの指標となります。

複数のサブリース会社から話を聞き、対応の丁寧さや説明の分かりやすさなども比較検討してください。長期間付き合うパートナーとして、信頼できる会社を選ぶことが賃貸経営の成功につながります。

 

サブリース契約が向いている人・向いていない人

サブリース契約には一長一短があり、すべてのオーナーに適した方法とはいえません。ご自身の状況や優先事項に応じて、最適な管理方法を選択することが重要です。

ここでは、サブリース契約が向いているケースと、他の管理方法を検討すべきケースについて解説します。ご自身の状況と照らし合わせて、判断の参考にしてください。

サブリースが向いているケース

サブリース契約が適しているのは、管理の手間をかけずに安定した収入を得たい方です。本業が忙しく賃貸経営に時間を割けない方や、入居者対応のストレスから解放されたい方には有効な選択肢となります。

また、空室リスクを極力避けたい方にもサブリースは向いています。たとえば、ローンの返済原資として家賃収入を見込んでいる場合、空室による収入減少は資金繰りに直結します。毎月一定額の収入が保証されることで、返済計画を安定させることができます。

物件が自宅から遠方にあり、管理の目が行き届きにくい場合も、サブリースのメリットを享受しやすいです。現地に頻繁に足を運べない状況では、すべてを任せられるサブリースは便利な仕組みといえます。

さらに、賃貸経営の経験が浅く、入居者募集や契約手続きに不安がある方も、サブリースを活用することで経営の負担を軽減できます。ただし、サブリース契約の仕組みやリスクを理解した上で契約することが前提です。

サブリース以外を検討すべきケース

収益性を重視するオーナーには、サブリースよりも一般管理や自主管理のほうが適している可能性があります。サブリースでは賃料の10%から20%が手数料として差し引かれるため、長期的に見ると大きな収益差が生じます。

入居需要が高いエリアや、空室が発生しにくい物件を所有している場合は、空室リスクを自己負担しても収益性を優先したほうが有利なケースがあります。駅から徒歩5分以内の好立地や、人気エリアの築浅物件などは、一般管理でも安定した入居率を維持しやすいです。

また、物件の入居者選定にこだわりたい方も、サブリース以外を検討すべきです。サブリースでは入居審査をサブリース会社が行うため、オーナーの希望が反映されにくくなります。物件を大切に使ってもらいたい、長期入居者を確保したいといった意向がある場合は、自分で入居者を選べる管理方式のほうが適しています。

将来的に物件を売却したり、自分で使用したりする可能性がある方も注意が必要です。サブリース契約が付いた状態での売却は、買い手が限定される可能性があります。契約の解約が難しいサブリースでは、出口戦略の自由度が下がることを認識しておく必要があります。

 

まとめ

サブリース契約は、管理業務の負担軽減や空室リスクの回避といったメリットがある一方で、収益性の低下や家賃減額リスク、解約の難しさといったデメリットも存在します。契約前にこれらの特徴を十分に理解し、ご自身の状況や優先事項に照らし合わせて判断することが重要です。

契約を検討する際には、家賃保証率と見直し期間、免責期間の設定、解約条件と違約金、修繕費の負担区分、サブリース会社の信頼性という五つのポイントを必ず確認してください。これらの条件を把握した上で、複数の会社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

サブリース契約が適しているのは、管理の手間を省きたい方や空室リスクを避けたい方です。一方、収益性を重視する方や入居者選定にこだわりたい方は、一般管理や自主管理など他の選択肢を検討するのがよいでしょう。

賃貸経営は長期にわたる取り組みであり、管理方法の選択はその成否を左右する重要な判断です。この記事で解説した内容を参考に、ご自身にとって最適な管理方法を見つけていただければ幸いです。不明な点や不安な点があれば、不動産の専門家や弁護士に相談することもご検討ください。