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賃貸空室期間平均の実態とは?|オーナーが知るべき原因と対策

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賃貸物件を所有するオーナーにとって、空室期間の長さは収益に直結する重要な問題です。退去が発生するたびに「次の入居者はいつ決まるのだろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、賃貸物件の空室期間の平均値から、長期化する原因、そして具体的な短縮対策までを体系的に解説します。全国平均や首都圏エリア別のデータを参照しながら、ご自身の物件の状況を客観的に評価できる判断基準をお伝えします。

管理会社から「まだ決まりません」と言われ続けている方や、空室が2〜3ヶ月以上続いて焦りを感じている方は、ぜひ最後までお読みください。現状を改善するための具体的なアクションが見えてくるはずです。

この記事でわかること

この記事を読むことで、賃貸経営における空室問題の全体像を把握できます。まず、全国および首都圏の空室期間の平均データを確認し、ご自身の物件が市場と比べてどの位置にあるのかを判断できるようになります。

次に、空室が長引く6つの主要な原因を詳しく解説します。賃料設定から物件の見せ方、管理会社の対応まで、どこに問題があるのかを特定するためのチェックポイントを網羅しています。さらに、空室期間を短縮するための実践的な対策を優先度別に紹介します。コストをかけずに始められる施策から、効果の高い設備投資まで、状況に応じた選択肢を提示します。

最後に、管理会社の対応を見極めるポイントと、退去から入居までの理想的なスケジュールについても解説します。この記事を読み終える頃には、次に何をすべきかが明確になっているはずです。

 

賃貸物件の空室期間の平均

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空室期間の平均を知ることは、ご自身の物件の状況を客観的に評価するための第一歩です。ここでは、全国平均から首都圏のエリア別データ、物件タイプ別の違いまでを詳しく見ていきます。

これらのデータを参考にすることで、「自分の物件の空室期間は長いのか短いのか」という疑問に対する答えが見えてきます。平均値を大きく上回っている場合は、何らかの改善が必要なサインと捉えることができます。

賃貸物件の空室期間は、全国的な傾向としておおむね4〜5ヶ月程度が一つの目安とされています。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の「賃貸住宅市場景況感調査」でも、委託管理物件の入居率は全国・首都圏ともに高水準で推移しており、すぐに次の入居者が決まる物件と、長期間空いてしまう物件が混在していることがうかがえます。

ただし、この「4〜5ヶ月」という数字は、繁忙期に短期間で入居が決まる物件と、半年以上空室が続く物件の両方を含めた平均的なイメージです。実際には立地や物件の状態によって大きな差があり、人気エリアの好条件物件であれば退去後1ヶ月以内に次の入居者が決まることも珍しくありません。一方で、条件が厳しい物件では6ヶ月以上空室が続くケースも存在します。

重要なのは、平均値そのものよりも、同じエリア・同じ条件の物件と比較してどうかという視点です。ご自身の物件が平均を大きく上回る空室期間となっている場合は、何らかの原因があると考えて対策を検討すべきでしょう。

一つの目安として、3ヶ月以上空室が続く場合は要注意、6ヶ月以上続く場合は早急な改善が必要と考えてください。この期間を超えても具体的な改善提案がない場合は、管理会社の対応を見直すことも選択肢に入れるべきです。

首都圏エリア別の空室期間

首都圏といっても、東京都心部と郊外では空室期間に大きな差があります。東京23区内、特に都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区・文京区)では、好立地の物件であれば平均2〜3ヶ月程度で次の入居者が決まるケースが多く見られます。これは、人口流入が続いており、賃貸需要が安定しているためです。

一方、東京23区の周辺区や神奈川県・埼玉県・千葉県の郊外エリアでは、平均4〜6ヶ月程度の空室期間となることが一般的です。駅からの距離が遠くなるほど、また築年数が古くなるほど、空室期間は長くなる傾向にあります。

神奈川県では横浜市や川崎市の主要駅周辺は比較的需要が高く、3〜4ヶ月程度で決まることが多いです。しかし、相模原市や藤沢市以西になると5ヶ月以上かかるケースも増えてきます。埼玉県も同様に、さいたま市や川口市など東京に近いエリアは需要がありますが、県北部になると苦戦する物件が目立ちます。

千葉県は、船橋市や市川市、浦安市など東京湾岸エリアは比較的強いものの、内陸部に入ると空室期間が長期化しやすい傾向があります。こうしたエリア特性を理解した上で、自分の物件の空室期間が妥当かどうかを判断することが大切です。

物件タイプ別の空室期間の違い

物件タイプによっても空室期間には明確な差があります。単身者向けのワンルーム・1Kタイプは、一般的に回転が早く、2〜4ヶ月程度で次の入居者が決まることが多いです。単身者は転勤や就職、進学などで住み替え需要が常に一定数あり、入居を決めるまでの判断も比較的早い傾向にあります。

一方、ファミリー向けの2LDK以上の物件は、空室期間が4〜6ヶ月と長くなりがちです。ファミリー層は物件選びに慎重で、学区や周辺環境、複数の条件を検討するため、決定までに時間がかかります。また、引っ越しのタイミングが子どもの入学・進級時期に集中するため、繁忙期を逃すと長期空室になりやすいという特徴があります。

さらに、築年数による違いも見逃せません。築5年以内の新しい物件であれば、設備も新しく人気が高いため、1〜2ヶ月で決まることも珍しくありません。しかし、築20年を超える物件になると、同じエリアでも5〜6ヶ月以上かかるケースが増えてきます。

ご自身の物件がどのカテゴリに属するのかを確認し、同条件の物件と比較した上で空室期間を評価してください。平均より大幅に長い場合は、次の章で解説する原因を一つずつチェックしていくことをお勧めします。

 

空室期間が長引く6つの原因

空室期間が長引く6つの原因の要約画像

空室期間が平均を大きく超えて長引いている場合、必ず何らかの原因があります。原因を特定できなければ、効果的な対策を打つことができません。

ここでは、空室が長期化する代表的な6つの原因を解説します。ご自身の物件に当てはまるものがないかを確認し、改善すべきポイントを見つけてください。

賃料設定が相場と合っていない

空室が長引く最も大きな原因の一つは、賃料設定が市場相場と乖離していることです。周辺の競合物件よりも賃料が高ければ、当然ながら入居希望者は他の物件を選びます。たとえ設備が充実していても、相場より1〜2割高い賃料では検討対象から外されてしまうのが現実です。

多くのオーナーは、物件を購入した当時の賃料設定をそのまま維持しがちです。しかし、周辺に新築物件が建ったり、駅前に競合物件が増えたりすると、相対的に自分の物件の競争力は低下します。また、築年数が経過すれば建物の価値は下がるため、それに応じた賃料調整が必要です。

賃料が適正かどうかを判断するには、SUUMOやHOME'Sなどの不動産ポータルサイトで、同じエリア・同じ間取り・同じ築年数の物件がいくらで募集されているかを確認してください。自分の物件が上位10%の価格帯に入っている場合は、賃料が高すぎる可能性があります。

賃料を下げることには抵抗を感じるオーナーも多いですが、半年間空室が続けば、その損失は家賃6ヶ月分に相当します。5,000円下げて2ヶ月で決まれば、年間の損失は6万円で済みます。長期的な収益を考えれば、適正な賃料への見直しは合理的な判断です。

物件写真や掲載情報の魅力不足

現在の賃貸物件探しは、まずインターネットで検索することから始まります。物件写真や掲載情報の質が低いと、内見に至る前に候補から外されてしまいます。特に写真は第一印象を決める最も重要な要素であり、暗い写真や生活感のある写真では魅力が伝わりません。

よくある問題として、写真の枚数が少なすぎる、暗い室内写真しかない、古い写真をそのまま使い続けている、といったケースが挙げられます。入居希望者は複数の物件を比較検討するため、写真で「見てみたい」と思わせなければ内見には繋がりません。

また、物件の強みが掲載情報でアピールされていないことも問題です。「南向きで日当たり良好」「スーパー徒歩3分」「宅配ボックス完備」など、競合物件との差別化ポイントがあるならば、文章でしっかり伝える必要があります。

掲載情報を見直す際には、実際にポータルサイトで自分の物件がどう表示されているかを確認してください。周辺の競合物件と並べて見たときに、「この物件を見てみたい」と思えるかどうか。客観的な視点で評価することが大切です。

設備が古くニーズに対応していない

入居者のニーズは年々変化しています。10年前には当たり前だった設備が、今では「あって当然」どころか「古い」と感じられることも珍しくありません。設備が時代のニーズに合っていないと、それだけで選ばれにくくなります。

特に影響が大きいのは、インターネット環境、エアコン、温水洗浄便座、独立洗面台、モニター付きインターホンなどです。全国賃貸住宅新聞が2023年に実施した調査では、入居者が重視する設備として「インターネット無料」が3年連続で1位となっています。Wi-Fi環境が整っていない物件は、若い世代を中心に敬遠される傾向が顕著です。

また、水回りの古さも入居者に嫌われるポイントです。築20年以上の物件では、キッチンや浴室、トイレの設備が明らかに古くなっています。全面リフォームはコストがかかりますが、温水洗浄便座の設置やシャワーヘッドの交換など、比較的低コストでできる改善もあります。

自分の物件の設備を、周辺の競合物件と比較してみてください。同じ賃料帯の物件にある設備が自分の物件にない場合、それが空室の原因になっている可能性があります。

入居条件が厳しすぎる

空室を埋めたいと思いながら、入居条件を厳しく設定しすぎて入居者を遠ざけているケースは少なくありません。条件を厳しくすればリスクは減りますが、その分、入居希望者の母数も減ってしまいます。空室が長引いているならば、条件の見直しを検討すべきです。

具体的には、「ペット不可」「外国人不可」「高齢者不可」「保証会社利用必須かつ連帯保証人も必須」「2年以上の契約期間」などが挙げられます。これらの条件は、オーナーとしてのリスクを減らすために設定されていますが、現在の賃貸市場では入居者確保の障壁になることがあります。

例えば、ペット可にすることで入居者層が広がります。ペットを飼いたい人は物件の選択肢が限られているため、条件が合えば長期入居してくれる傾向があります。外国人についても、信頼できる保証会社を利用すれば家賃滞納リスクは軽減できます。

もちろん、すべての条件を緩和すべきということではありません。物件の特性や周辺環境に合わせて、どの条件を緩和できるかを検討してください。空室が半年以上続いているならば、条件緩和による入居者確保と、条件維持による空室損失を天秤にかけて判断することが重要です。

内見時の印象が悪い

ポータルサイトで興味を持ってもらい、内見まで進んだとしても、実際に部屋を見たときの印象が悪ければ入居には至りません。内見は入居者が最終判断をする場であり、ここでの印象が成約を左右します。

よくある問題として、室内にほこりやカビが残っている、前入居者の生活の痕跡が消えていない、排水口から臭いがする、照明が暗くて室内が陰気に見える、といった点が挙げられます。これらは清掃や簡単な手入れで改善できるにもかかわらず、放置されているケースが多いです。

また、共用部分の印象も重要です。エントランスにゴミが散乱している、ポストにチラシが溢れている、廊下の電球が切れている、といった状態では、物件全体の管理が行き届いていない印象を与えます。入居希望者は「こんな環境で暮らしたくない」と感じてしまいます。

内見前には必ず室内の状態を確認し、必要に応じて清掃を行ってください。特に退去後の空室期間が長くなると、締め切った室内に臭いがこもりやすくなります。定期的な換気や、内見前日の空気の入れ替えも効果的です。

管理会社の募集活動が不十分

上記のすべてをチェックしても原因が見つからない場合、管理会社の募集活動自体に問題がある可能性を検討すべきです。管理会社によって募集力には大きな差があり、同じ物件でも管理会社が変わるだけで空室期間が半減することもあります。

募集活動が不十分な管理会社の特徴として、ポータルサイトへの掲載が遅い、掲載情報の更新がない、他の不動産会社への情報共有(レインズ登録など)が不十分、内見の対応が雑、といった点が挙げられます。また、担当者が複数の物件を抱えすぎていて、個別の物件に注力できていないケースもあります。

管理会社から定期的な報告がない、問い合わせ件数や内見件数を把握していない、具体的な改善提案がないといった状況であれば、管理会社の対応に問題がある可能性が高いです。

「募集中です」という報告だけで具体的な数字が伴わない場合は、問い合わせ件数、内見件数、内見後の反応などを確認してください。これらの情報を把握していない、または共有してくれない管理会社は、本気で募集活動を行っていない可能性があります。

 

空室期間を短縮するための対策

空室の原因を特定したら、次は具体的な対策を実行する段階です。ここでは、効果が高くコストパフォーマンスの良い対策から順に解説します。

すべての対策を一度に実施する必要はありません。ご自身の物件の状況に合わせて、優先度の高いものから取り組んでください。

物件写真の撮り直しと情報の充実

最も費用対効果が高い対策の一つが、物件写真の撮り直しと掲載情報の充実です。写真を変えるだけで問い合わせ数が2倍以上に増えることも珍しくありません。コストをかけずにすぐ実行できる施策として、最優先で取り組むべきです。

写真撮影のポイントは、まず自然光を活かすことです。晴れた日の午前中から午後2時頃までの時間帯に撮影すると、室内が明るく見えます。照明をすべて点灯し、カーテンを開けて撮影してください。広角レンズを使うと、部屋が広く見える効果があります。

掲載する写真は最低でも10枚以上を目安にしてください。玄関、リビング、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、収納、ベランダ、外観、周辺環境など、入居希望者が気になるポイントはすべて撮影します。「写真がないから見に行かない」という判断をされないよう、情報は出し惜しみしないことが大切です。

掲載文についても、物件の強みを具体的にアピールしてください。「駅近」ではなく「駅徒歩5分」、「スーパー近い」ではなく「イオン徒歩3分」のように、具体的な情報を盛り込むことで信頼性が増します。

内見前の清掃とステージング

内見時の印象を良くするために、プロによる清掃とステージングを検討してください。特に水回りの汚れや臭いは入居者が最も嫌うポイントであり、ハウスクリーニングを入れるだけで成約率が上がることがあります。

ハウスクリーニングの費用は、1Kで2〜3万円、2LDKで4〜6万円程度が相場です。空室が3ヶ月続けば家賃3ヶ月分の損失が発生することを考えれば、決して高い投資ではありません。特に退去後の原状回復工事だけでは落としきれない汚れがある場合は、追加でクリーニングを依頼することをお勧めします。

ステージングとは、家具や小物を配置して「生活のイメージ」を見せる手法です。完全な空室よりも、簡易的な家具が置いてある方が、入居希望者は自分の生活をイメージしやすくなります。最近では、段ボール製の組み立て家具など、低コストでステージングができる商品も販売されています。

また、内見時に良い香りがするよう、消臭剤や芳香剤を置いておくことも効果的です。締め切った室内は独特の臭いがこもりやすいため、内見前日には窓を開けて換気を行ってください。

人気設備の導入

競合物件と差別化するために、入居者に人気の設備を導入することは有効な対策です。特にインターネット無料は、近年最も求められる設備の一つであり、導入することで入居者層が大幅に広がります。

インターネット無料の導入費用は、物件の規模によりますが、初期費用として10〜30万円程度、月額費用として1戸あたり1,000〜2,000円程度が目安です。これを賃料に上乗せするか、空室対策のコストとして吸収するかは物件ごとに判断してください。

その他、温水洗浄便座(工事費込みで3〜5万円程度)、モニター付きインターホン(3〜8万円程度)、室内物干し(1〜2万円程度)など、比較的低コストで導入できる設備もあります。これらは一度導入すれば長期間使えるため、費用対効果は高いと言えます。

設備投資を検討する際は、周辺の競合物件がどのような設備を備えているかを確認してください。競合物件にあって自分の物件にない設備があれば、それが選ばれない原因になっている可能性があります。

入居条件の緩和

入居条件を緩和することで、入居希望者の母数を増やすことができます。特にペット可への変更は、入居者層を大きく広げる効果があります。ペットを飼いたい人は物件の選択肢が限られているため、条件が合えば多少賃料が高くても入居を決める傾向があります。

ペット可にする場合は、敷金を1〜2ヶ月分上乗せする、原状回復費用の範囲を明確にするなど、リスク対策を講じた上で導入してください。また、飼育可能なペットの種類や大きさを限定することで、トラブルを防ぐことができます。

外国人の入居受け入れも検討に値します。日本で働く外国人は増加傾向にあり、物件を借りたくても借りられない人が多くいます。保証会社を利用すれば家賃滞納リスクは軽減できますし、多言語対応が可能な管理会社と連携することでコミュニケーションの問題も解決できます。

高齢者の入居についても、見守りサービスや緊急通報システムを導入することでリスクを軽減できます。高齢化社会の進展に伴い、高齢者向け賃貸のニーズは今後も増加すると予想されます。

適正賃料への見直し

上記の対策を行っても空室が埋まらない場合、賃料設定の見直しを真剣に検討してください。市場相場より高い賃料を維持して空室を続けるよりも、適正賃料に下げて早期に入居を決める方が、長期的な収益は高くなります。

賃料見直しの際は、まず現在の市場相場を正確に把握することが重要です。ポータルサイトで同じエリア・同じ条件の物件を10件以上リストアップし、賃料の分布を確認してください。自分の物件が上位20%以内の高価格帯に入っている場合は、賃料が高すぎる可能性があります。

賃料を下げる際は、一度に大きく下げるのではなく、まず3,000〜5,000円程度の小幅な値下げから始めることをお勧めします。値下げ後2〜4週間の反応を見て、問い合わせや内見が増えれば適正価格に近づいた証拠です。反応がなければ、さらなる値下げを検討してください。

なお、賃料を下げる前に、礼金をゼロにする、フリーレントを設定するなど、実質的なコストは下げつつ表面賃料を維持する方法もあります。これらの選択肢も含めて、最適な条件設定を検討してください。

フリーレントや入居特典の活用

フリーレント(一定期間の家賃無料)や入居特典は、賃料を下げずに競争力を高める有効な手段です。「家賃1ヶ月分無料」「引っ越し費用5万円キャッシュバック」といった特典は、入居希望者の決断を後押しする効果があります。

フリーレントのメリットは、表面賃料を維持したまま実質的な値引きができることです。例えば、家賃8万円の物件で1ヶ月のフリーレントを設定した場合、2年契約で見ると月あたり約3,300円の値引きに相当します。賃料を3,000円下げるのとほぼ同じ効果がありながら、次の契約更新時には元の賃料で継続できます。

入居特典としては、フリーレントのほかに、「初期費用割引」「家具家電プレゼント」「商品券進呈」などが考えられます。これらの特典は、ポータルサイトでの検索条件にヒットしやすくなる効果もあり、露出が増えることで問い合わせ増加が期待できます。

ただし、フリーレントを設定する場合は、短期解約に対するペナルティ条項を契約に盛り込むことをお勧めします。「1年未満の解約時はフリーレント相当額を返金する」などの条件を設けることで、フリーレント目当ての短期入居を防ぐことができます。

 

管理会社の対応を見極めるポイント

空室対策を実施しても改善しない場合、管理会社の対応に問題がある可能性を検討すべきです。ここでは、管理会社の対応を客観的に評価するためのポイントを解説します。

管理会社との関係は長期にわたるため、問題がある場合は早めに対処することが重要です。

空室期間が長いときに確認すべき項目

空室が3ヶ月以上続いている場合は、管理会社に対して以下の情報を確認してください。具体的な数字を把握していない管理会社は、真剣に募集活動を行っていない可能性があります。

まず確認すべきは、問い合わせ件数と内見件数です。過去1ヶ月間に何件の問い合わせがあり、何件の内見が実施されたのかを聞いてください。問い合わせがゼロであれば掲載情報に問題がある可能性が高く、問い合わせはあるが内見に至らない場合は条件面での問題が考えられます。

次に、内見後の反応についても確認してください。内見はあるが成約に至らない場合、内見者がどのような理由で見送ったのかを把握することが重要です。「賃料が高い」「設備が古い」「他の物件に決めた」など、具体的なフィードバックがあれば、改善策を検討する材料になります。

また、掲載されているポータルサイトと掲載内容についても確認してください。主要なポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホームなど)に掲載されているか、写真や情報は最新のものか、競合物件と比較して見劣りしていないかをチェックします。これらの基本的な対応ができていない場合は、管理会社に改善を求めるか、変更を検討すべきです。

管理会社変更を検討すべきケース

以下のような状況に該当する場合は、管理会社の変更を真剣に検討してください。管理会社を変えるだけで空室期間が大幅に短縮されるケースは実際に多くあります。

第一に、定期的な報告がなく、こちらから問い合わせないと状況がわからない場合です。プロの管理会社であれば、少なくとも月1回は募集状況や市場動向についてレポートを提供すべきです。報告がない場合は、物件が放置されている可能性があります。

第二に、具体的な改善提案がない場合です。空室が長引いているにもかかわらず、「もう少し様子を見ましょう」「市場が悪い」といった説明だけで、具体的な対策を提案してこない管理会社は問題です。プロであれば、賃料調整、設備投資、条件緩和など、状況に応じた提案ができるはずです。

第三に、担当者の対応が遅い、または連絡が取りにくい場合です。内見希望があっても対応が遅ければ、入居希望者は他の物件に流れてしまいます。オーナーへの連絡も遅い管理会社は、入居希望者への対応も同様に遅い可能性が高いです。

管理会社の変更には手間がかかりますが、空室が続いて毎月家賃収入を失い続けることを考えれば、早めに決断することが重要です。

管理会社選びで重視すべき基準

管理会社を変更する場合、または新たに選ぶ場合に重視すべき基準を解説します。管理会社によって募集力や対応品質は大きく異なるため、慎重に選ぶ必要があります。

まず重要なのは、そのエリアでの実績です。地域に精通した管理会社は、周辺の賃料相場、入居者のニーズ、競合物件の状況を把握しており、的確な提案ができます。全国展開している大手だけでなく、地域密着型の管理会社も選択肢に入れてください。

次に、募集活動の具体的な内容を確認してください。どのポータルサイトに掲載するのか、写真撮影は誰が行うのか、他社への情報共有はどうするのか、内見対応は即日可能かなど、具体的なオペレーションを聞くことで、その会社の募集力を判断できます。

また、報告体制についても確認してください。月次レポートの有無、問い合わせ件数や内見件数の共有、改善提案の頻度など、オーナーとのコミュニケーション体制が整っている会社を選ぶべきです。

費用体系も重要な判断基準です。管理手数料だけでなく、入居時の広告料、原状回復工事の費用、更新手数料など、トータルでのコストを比較してください。月額管理料が安くても、その他の費用が高ければ総コストは変わらないこともあります。

 

退去から入居までの理想的なスケジュール

空室期間を最小限に抑えるためには、退去から入居までの流れを効率化することが重要です。ここでは、理想的なスケジュールと各段階でのポイントを解説します。

適切な準備と段取りがあれば、退去後1ヶ月以内に次の入居者を確保することも十分に可能です。

退去予告から募集開始までの流れ

退去予告を受けたら、その日のうちに募集準備を開始することが理想です。通常、入居者は退去の1〜2ヶ月前に予告を行うため、この期間を有効活用することで空室期間を大幅に短縮できます。

退去予告を受けたら、まず管理会社と連絡を取り、募集開始のスケジュールを確認してください。物件によっては、退去前から「○月○日入居可」として募集を開始することができます。入居希望者の中には、1〜2ヶ月先の入居を希望している人も多いため、早期に募集を開始することで候補者を確保できます。

同時に、賃料設定の見直しも行ってください。前回の入居から時間が経っている場合、市場相場が変わっている可能性があります。周辺の競合物件の賃料を調査し、適正な賃料を設定することが重要です。

また、設備の追加や条件の変更を検討するタイミングでもあります。退去に伴う原状回復工事の際に、同時に設備投資を行えば効率的です。例えば、インターネット無料の導入や温水洗浄便座の設置など、入居者に人気の設備を追加することを検討してください。

原状回復工事の期間と進め方

原状回復工事は退去後1〜2週間以内に完了させることを目標にしてください。工事が長引けばその分だけ空室期間が延び、内見も実施できなくなります。スケジュール管理を徹底することが重要です。

工事期間を短縮するために、退去前に室内の状態を確認し、必要な工事内容を事前に把握しておくことが効果的です。退去立ち会いの際に工事箇所を確定し、すぐに工事業者を手配できる体制を整えてください。

また、工事内容を必要最小限に絞ることも重要です。すべてを新品に交換する必要はありません。クリーニングで対応できる箇所、部分補修で済む箇所を見極め、コストと時間を最適化してください。ただし、次の入居者に悪印象を与えるような箇所は、しっかり修繕することが大切です。

繁忙期(1〜3月)は工事業者も混み合うため、スケジュールに余裕を持って手配する必要があります。退去予告を受けた時点で、工事業者の空き状況を確認しておくことをお勧めします。

早期客付けを実現するための準備

原状回復工事が完了したら、すぐに内見ができる状態に整えることが早期客付けの鍵です。工事完了後にハウスクリーニングを入れ、写真撮影を行い、ポータルサイトの情報を更新するという一連の流れを、1週間以内に完了させることを目指してください。

写真撮影は晴れた日の日中に行い、室内が明るく見えるようにしてください。撮影後すぐにポータルサイトの掲載写真を更新し、「リフォーム済み」「クリーニング済み」といった情報を追加することで、入居希望者の関心を引くことができます。

内見対応についても、可能な限り柔軟に対応できる体制を整えてください。「内見は平日のみ」「2日前までに予約が必要」といった制限があると、入居希望者を逃してしまう可能性があります。管理会社と連携し、即日内見にも対応できる体制を構築することが理想です。

内見時に好印象を与えるための準備も忘れないでください。室内の換気を行い、消臭剤を設置し、照明をすべて点灯させるなど、細かな配慮が成約率を高めます。また、物件の良い点をまとめた資料を用意しておくと、内見者が他の物件と比較検討する際に思い出してもらいやすくなります。

 

まとめ

賃貸物件の空室期間は、全国平均で4〜5ヶ月程度が目安となっています。首都圏では都心部に近いほど短く、郊外に行くほど長くなる傾向があります。ご自身の物件の空室期間がこの平均を大きく上回っている場合は、何らかの改善が必要なサインです。

空室が長引く原因は、賃料設定、物件写真や掲載情報の質、設備の古さ、入居条件の厳しさ、内見時の印象、管理会社の募集活動など、多岐にわたります。まずは原因を特定し、優先度の高い対策から実行していくことが重要です。

対策としては、物件写真の撮り直しと情報の充実が最も費用対効果が高く、すぐに実行できます。その上で、清掃やステージング、人気設備の導入、入居条件の緩和、賃料の見直し、フリーレントの活用などを状況に応じて検討してください。

これらの対策を実施しても改善しない場合は、管理会社の対応に問題がある可能性があります。定期的な報告がない、具体的な改善提案がない、対応が遅いといった状況であれば、管理会社の変更も視野に入れてください。管理会社を変えるだけで空室期間が大幅に短縮されるケースは実際に多くあります。

空室は放置すればするほど損失が拡大します。3ヶ月以上空室が続いている場合は、何らかのアクションを起こすタイミングと考えてください。この記事で解説した内容を参考に、具体的な改善策を実行していただければ幸いです。