
管理会社の基本業務はどの会社もほぼ同じです。入居者対応・家賃回収・契約更新・退去立ち会い・再募集——この一連のサイクルに大きな差はありません。オーナーの収益を左右する「本当の違い」は、パンフレットに載っていない部分に潜んでいます。
この記事では、不動産管理のプロへのインタビューをもとに、管理会社を見極めるための5つの判断基準を解説します。変更の具体的な手順・書類テンプレートは にまとめています。
分譲マンションの管理組合として管理会社の変更を検討している方は を参照してください。
分譲マンション管理組合の方はこちら賃貸管理会社の変更に特化した手順・テンプレートはこちら管理会社を変えるべきか判断する3つの基準

管理会社への不満が「変えるべき段階」にあるのか、まず客観的に判断する必要があります。次の3つのうち1つでも該当すれば、変更を具体的に検討すべき時期です。
空室が3ヶ月以上続いている。 物件の立地・設備に問題がないのに空室が埋まらないなら、管理会社の集客力不足を疑うべきです。空室対策として何をしているか聞いて即答できない管理会社は、そもそも対策を講じていません。
担当者の対応品質が低い。 連絡への返信が翌日以降になるのが常態化している、担当者が短期間で何度も交代する、オーナー側のほうが不動産知識に詳しい——これらは担当者個人ではなく会社の体質の問題です。担当者を変えても根本的な解決にはなりません。具体的な判断基準は で解説しています。
管理手数料が家賃の5%以上で固定されている。 都内近郊では3%を基準とする会社が増えており、5%固定のまま数年変わっていない場合は見直しの余地があります。ただし手数料率の高低だけでは判断できません。判断基準は「手数料に対して何をしてくれるか」です。管理委託費の相場感は も参考にしてください。
各基準の詳しい解説・チェックリストは を参照してください。変更手続きは6ステップ・平均3ヶ月で完了します。手順の詳細・解約通知テンプレート・引き継ぎチェックリストもすべて上記の記事に収録しています。変更時に起こりやすいトラブルと予防策は にまとめています。
賃貸管理会社変更の手順・費用・テンプレートはこちら管理会社が仕事をしないときの対処法管理会社がひどい場合の判断基準管理会社の乗り換え、まずは無料相談から相談は無料・オンライン対応可
専門家に聞く「管理会社の本当の違い」

管理会社の基本業務に大きな差はありません。オーナーの収益に直結する「本質的な違い」は、見えにくい部分に潜んでいます。不動産管理のプロへのインタビューから、管理会社を見極めるための5つの判断基準を解説します。
管理会社の差は「提携保証会社」の保証範囲にある
管理会社選びで最も重要なのは、提携している家賃保証会社とその保証範囲です。同じ保証会社でも、管理会社との提携条件によって保証される範囲が大きく異なります。
家賃の12〜24ヶ月分を上限とする保証が一般的ですが、問題は「何が保証されるか」です。家賃滞納分のみを対象とする保証会社がほとんどで、入居者が夜逃げした場合、退去の同意が得られないため残置物の撤去費用や原状回復費用は対象外になります。結果として、これらの費用はオーナーの全額負担です。
一方、手厚い保証プランでは夜逃げ時の原状回復費用・更新料・早期解約違約金を含めて最大24ヶ月分を保証するものもあります。こうした好条件のプランは、一定の管理戸数と実績を持つ会社だからこそ提携できる強みです。管理手数料の数%の差よりも、この保証範囲の差のほうがオーナーの資産を守る上ではるかに重要です。
BM業務を個別発注できるかがコスト管理の分岐点
管理業務はプロパティマネジメント(PM:入居者対応・家賃管理)とビルディングメンテナンス(BM:清掃・設備点検)に大別されます。このBM業務をオーナー自身が直接業者に発注できるかどうかが、トータルコストに直結します。
清掃1回の費用は、管理会社によっては1万円を超えるケースもあれば、3,000〜5,000円で対応する会社もあります。消防設備点検・エレベーター保守点検などの定期BM業務は年間で数十万円に及ぶため、この差は無視できません。
安い会社さんもし自分たちで見つけられるようであれば全然そっち使っていいですよっていうスタンスなので、そういう会社の方がいいとは思いますね
この姿勢はオーナーの利益を尊重していることの表れです。「全て当社指定業者に発注」というスタンスの会社は、BM業務で利益を得ている可能性があります。契約前にPM業務とBM業務が分離できるかを必ず確認してください。
物件担当制は組織的に脆い体制である
一人の担当者が特定物件のすべてを管理する「物件担当制」は、一見わかりやすい体制に見えますが、構造的な脆弱性をはらんでいます。
物件担当性になってる会社っていうのはそういう意味で言うとものすごい管理体制としては脆なものなんじゃないかなと思いますね
担当者が退職すれば、物件情報・入居者との関係性・過去のトラブル経緯がすべてリセットされます。一人で500戸以上を担当しているケースもあり、きめ細やかな対応は物理的に不可能です。
優れた管理会社は、入居者対応チーム・契約更新チーム・退去リフォームチームのように業務ごとに専門部署を設け、チーム全体で情報共有する体制を構築しています。一人の退職が管理の質に影響しない仕組みです。面談時には「担当者が退職した場合、引き継ぎはどうなるか」を直接聞いてください。
土日・水曜の営業体制が空室期間を左右する
管理会社の営業日数は空室対策に直結します。入居希望者の多くは土日に内見を希望するため、土日に対応できない管理会社は最も需要が高まるタイミングで機会損失を生んでいます。入居促進費(AD)の仕組みと合わせて空室対策を検討する場合は も参照してください。
さらに重要なのが水曜日です。不動産業界では水曜定休が慣習で、大手では火・水連休のケースも多いです。年中無休の仲介会社が火・水曜に内見問い合わせをしたとき、管理会社が休みであればその物件は候補から外される可能性があります。毎日スタッフが対応できる体制は、入居付けへの責任感と機会損失を防ぐ姿勢の表れです。
管理費5%は高い。ただし0円管理にもリスクがある
管理手数料は「5%固定は割高」である一方、「0円や極端な低額にはリスクがある」という二面性を持っています。
5%はやっぱり高いと思うんですよね。さすがに結構高い
都内近郊では3%を基準とする会社が増えており、家賃8万円の物件10戸であれば年間192,000円のコスト削減になります。ただし「管理手数料0円」「月額980円〜」という料金体系は、ビジネスモデルとしての持続性に疑問があります。管理戸数が増えても月額売上が発生しなければ人件費を賄えず、サービスの質は低下します。
管理料を意図的に低く設定している会社は、物件の売買仲介手数料を主な収益源にしていることが多いです。その場合、オーナーの意に沿わない売却提案が繰り返されるリスクが生じます。適正な価格帯(3〜5%)で「何が含まれるか」を書面で確認した上で判断することが必要です。
管理委託費の相場を詳しく見る入居促進費(AD)の仕組みと相場管理会社変更のトラブル事例と予防策アソーク代表・青木慎悟が語る「管理会社選びで見るべきこと」

管理会社を選ぶ際、サービス内容や手数料率だけでなく「経営者の哲学」を見ることが重要です。株式会社アソーク代表の青木慎悟は、一部上場企業でトップ営業を経験した後に創業し、管理戸数を拡大してきた経歴を持ちます。
数字に強く、誠実で、粘り強い
約200室の管理を委託しているEさん(不動産賃貸業)は、青木との初対面をこう振り返ります。
代表の青木さんに会いまして、とにかく数字に強い方だなという印象でしたね。あとは賃貸管理や不動産の仕事が大好きで、とても誠実な人だという印象でした。
一部上場企業のトップ営業経験から培われた「依頼されたことを最後までやり抜く粘り強さ」、理工系学部出身ならではの「論理的な考え方に基づいて実務を進める力」——この両面がアソークの管理スタイルの土台になっています。
Eさんが管理会社を選ぶ際、父親は大手管理会社を希望していました。しかし最終的にアソークを選んだ決め手は3つあったと言います。
連絡したときのアソークさんの対応の早さは群を抜いていました。常に連絡が取れる安心感がありました。
大手は「検討してみます」と答えて1ヶ月後に「難しい」と返答したのに対し、青木は「問題なくできます」と即答しました。結果としてEさんの物件の稼働率は99〜100%に達しています。
顧客の利益を最優先する姿勢
会社員のMさんは、アソークの姿勢をこう評価しています。
時には『今は買うべきではない』、『この物件はやめましょう』と実直な指摘をしてくださり、会社の利益だけでなく、真に顧客の利益を考えてくれていることが伝わってきます。
Mさんはアソークを「革新的に業界の慣例を覆し、合理的かつ明瞭な業務を行っている稀有な会社」と表現しています。内見後の打ち合わせでも「買っても買わなくてもどちらでもいいですよ」「不動産との出会いは運なので、ご自身が本当に納得したタイミング・物件で良いですよ」と伝える姿勢は、目先の売上よりもオーナーとの長期的な信頼関係を優先する経営哲学の表れです。
管理会社を選ぶ際は、手数料率や業務内容だけでなく「この人に資産を預けられるか」という視点で経営者・担当者を見ることが、後悔しない選択につながります。
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管理会社を変える際の4つの注意点

管理会社の変更手続きそのものよりも、変更前後の「落とし穴」で損をするオーナーが多いのが実情です。事前に対策を打てばすべて回避可能です。
解約予告期間と違約金
契約書の解約条項を見落としたまま変更を進めると、予期しない違約金が発生します。国土交通省「賃貸住宅標準管理委託契約書」第21条では3ヶ月前通知を規定していますが、各社の契約書は異なるため手元の契約書を必ず確認してください。
保証会社の引き継ぎ
保証会社の引き継ぎは管理会社変更で最も見落としやすいリスクです。保証が切れた状態で滞納が発生すれば、家賃回収はオーナーの全額自己負担になります。新管理会社を選定する段階で「現在の保証会社との引き継ぎ可否」を最初に確認するのが鉄則です。
入居者への通知
入居者への通知は変更日の1ヶ月前が期限です。振込先変更がある場合、通知漏れは即座に未収扱いになります。書面郵送・メール・共用部掲示を組み合わせ、可能であれば新旧管理会社の連名で通知してください。
引き継ぎ漏れの防止
引き継ぎ漏れは変更後のトラブル原因として最も多い項目です。賃貸借契約書・入居者情報・家賃入金履歴・敷金預かり状況・修繕履歴・保証会社契約・保険証書・鍵の全てを引き継ぎ完了日までに受領し、新管理会社と確認してください。
変更手順の詳細・解約通知書テンプレートはこちら管理会社変更のトラブル事例と予防策よくある質問(FAQ)
Q1. 提携保証会社の保証範囲はどう確認すればいいですか?
管理会社との面談時に「保証の対象となる項目」を書面で出してもらうのが確実です。家賃滞納分だけでなく、夜逃げ時の原状回復費用・更新料・早期解約違約金が含まれるかを具体的に確認してください。口頭の説明だけでは後日のトラブルにつながります。
Q2. BM業務を個別発注できる会社はどう見分けますか?
面談時に「清掃や設備点検をオーナー指定の業者に発注できるか」と直接聞いてください。「全て当社指定業者で」と回答する会社はBM業務で利益を得ている可能性があります。柔軟に対応する会社は「安い業者を見つけたならそちらを使ってください」と明言します。
Q3. 物件担当制とチーム制はどちらが良いですか?
チーム制のほうが組織的に安定しています。物件担当制は担当者の退職で情報がリセットされるリスクがあります。面談時に「担当者が退職した場合の引き継ぎ体制」を聞けば、その会社が物件担当制かチーム制かは自然に分かります。
Q4. 管理手数料の適正な相場はどのくらいですか?
都内近郊では家賃の3〜5%が相場です。5%以上は割高の可能性が高く、0円や極端な低額はビジネスモデルの持続性に疑問があります。手数料率だけでなく「何が含まれるか」を書面で確認し、保証内容・対応体制と合わせて総合的に判断してください。
Q5. 管理会社の変更にはどのくらいの期間がかかりますか?
平均3ヶ月で完了します。解約通知期間が3ヶ月前と規定されていることが多いためです。急ぐ場合でも、解約通知期間1ヶ月+引き継ぎ2週間で最短1.5ヶ月が目安です。手順の詳細は を参照してください。
Q6. 変更にかかる費用はいくらですか?
0〜20万円が目安です。契約期間満了なら違約金は0円。内訳は違約金0〜管理料3ヶ月分、新管理会社の初期費用0〜5万円、保証会社切り替え費用0〜入居者1人あたり1万円です。管理料が5%から3%に下がれば、費用は数ヶ月で回収できます。
Q7. 管理会社を変更すると保証会社も変わりますか?
契約形態によります。管理会社が代理店として保証契約を結んでいる場合、管理会社変更で保証が終了するリスクがあります。オーナー直契約型なら継続します。新管理会社の選定段階で「現在の保証会社との引き継ぎ可否」を最初に確認するのが鉄則です。
Q8. 水曜定休の管理会社は避けるべきですか?
空室対策を重視するなら避けるのが無難です。年中無休の仲介会社が水曜に内見問い合わせをしたとき、管理会社が休みだとその物件は候補から外されます。毎日対応できる体制の会社を選ぶことで、入居付けの機会損失を防げます。
Q9. 0円管理の会社は本当に危険ですか?
すべてが危険とは限りませんが、収益モデルを確認する必要があります。管理料が0円の会社は物件売買の仲介手数料を主な収益源にしていることが多く、オーナーの意に沿わない売却提案を繰り返されるリスクがあります。管理戸数が増えても月額売上がなければ人件費を賄えず、サービスの質が低下する構造的な問題を抱えています。
Q10. 管理会社との面談で最初に聞くべき質問は何ですか?
「提携保証会社はどこで、保証範囲はどこまでか」を最初に聞いてください。夜逃げ時の原状回復費用・更新料・早期解約違約金まで含まれるかを確認することで、その会社の保証体制の手厚さが一発で分かります。この質問に具体的に回答できない会社は候補から外して問題ありません。
賃貸管理会社変更の全手順を見るまとめ
管理会社の基本業務はどの会社もほぼ同じです。オーナーの収益を左右する「本当の違い」は、提携保証会社の保証範囲・BM業務の個別発注可否・物件担当制か組織体制か・土日水曜の営業体制・管理手数料の適正性の5つに集約されます。
手数料率の比較だけで管理会社を選ぶと失敗します。保証範囲の差は、管理手数料の差よりもはるかに大きなインパクトをオーナーの資産に与えます。面談では「保証範囲」「BM個別発注の可否」「担当者退職時の引き継ぎ体制」を必ず確認してください。
変更手順の詳細・解約通知テンプレート・引き継ぎチェックリストは にまとめています。
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